美肌を維持するために保湿が重要という事を今までさんざん説いてきました。
でも年間を通して出現する様々な肌悩みがある事もわかります。
その主な原因となっているのが“乾燥”でしょう。
乾燥を防ぐには、肌をきちんと潤し、
保護してくれる保湿スキンケアアイテムを選んで使うことが大切。
今回は各種論文から保湿のために何が必要なのという話をしていきます。
是非参考にしてくださいね。
アメリカ皮膚科学会「本当に必要なコスメは日焼け止めと保湿剤だけだよね〜」
美容系の情報を調べるきに、おすすめなのがアメリカ皮膚科学会(AAD)のサイト(https://www.aad.org/)です。
ADDは世界最大の皮膚科医による学会で、定期的に一般向けのガイドラインを出してくれています。
ADDが出した「正しいスキンケア商品の選び方」
https://www.aad.org/public/skin-hair-nails/anti-aging-skin-care/selecting-anti-aging-products
にスキンケア商品の効果や、必要性がまとめられていたので紹介していきます。
まず要点から説明すると、
・本当に大事なのは日焼け止めと保湿剤です。
この2つを毎日使うだけでも大きな違いが出る。多くのアンチエイジング商品が効くのは、要するに保湿剤が入っているおかげ。肌トラブルを解決したいなら、まずは保湿剤と日焼け止めを2〜3週間使ってみる。
・日焼け止めを選ぶポイント。
日焼け止めは、広域スペクトラムでSPF30以上、防水仕様のものを選ぶ。外出時は、日焼け止めは2時間おきに塗ること。
・肌トラブルには1つずつ対処する:すべての問題を解決する商品は存在しないので、肌のトラブルには1つずつ対処していく。シワや美白、肌荒れなど、それぞれの問題に対応したスキンケアグッズを選び、それだけを2〜3週間試してみるのが基本。
・自分の肌タイプにあったものを選ぶ:なにせヒトの肌は種類がさまざまなんで、まずは自分が脂症か敏感肌かを把握し、保湿剤もそれにあったものを選ぶ。
・スキンケア商品にそんな期待しない:もちろん日焼け止めと保湿剤は大事なんだけど、それでもマイルドな効果しかないのも確か。たかがクリームで10才も若返ったり、シワが消えたりするはずはない。ちなみに「臨床試験で効果が確認された」というウリ文句も信じてはいけない。
・値段が高いから効果が大きいわけじゃない:値段が高い商品ほど効果が大きいと思ってしまうのが人間の心理。しかし、実際はどの価格帯にも効果的な商品は存在している。
といったはなしです。
保湿をしっかりして、肌を良い状態にキープしておけば
ターンオーバーのサイクルが正常に行われるようになります。
結果として、きれいな肌を維持できるのでやはり保湿はとても大切です。
紫外線による光老化は肌のしみ、しわ、たるみなどの原因になります。
紫外線は全く浴びないのも良くないですが、過剰に浴び続けることも避けたほうが良いです。日焼け止めの効果は数時間程度しかもたないとされていますので、2~3時間ごとに塗りなおしましょう。
光老化と乾燥さえ防いじゃえば、あとは食生活と肌バクテリアが大事だよなーと思います。
次は保湿クリームや化粧水はどのくらい効果があるのという話をしていきます。
保湿クリームと化粧水を使う正しい順番とは?そもそも化粧品って必要なの?
次に紹介する論文は、「保湿クリームとか化粧水ってどんな順番で使えばいいの?単体や複合で効果が違うの?」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29394018
という事を調べています。
これはペン州立大学の実験で、20人の女性を対象にしたもの。3つの対象群がそれぞれどれぐらい肌の保湿に効くのかを調べました。
保湿クリーム(主成分はシアバターとプリンセピアオイル )
化粧水(水とペンチレングリコール、スベリヒユエキスなどを使用)
ミネラルウォータースプレー
実験では、まず全員の肌質を「ドライスキン」と「ノーマルスキン」の2つに分けて、
各対象群を8つのパターンで使うように指示したそうです。
化粧水のみを2時間おきに使う
クリームを塗って、次に化粧水を使う
化粧水だけを1回使う
クリームだけを1回使う
クリームを塗って、次にウォータースプレーを2時間おきに使う
何もしない
クリームと化粧水を2時間おきに使う
化粧水を使って、次にクリームを塗る
その後、表皮の保湿レベルを2時間おきにチェックして、どの組み合わせがベストなのかをチェックしました。この時、室温は22度で湿度は50%になるように調整しました。
結果
・「クリーム→化粧水」「化粧水→クリーム」「クリームだけ」の場合は、
どれも同じように保湿効果があり、時間とともに同じように下がる
・化粧水だけの場合は肌のうるおいが上がらないので、ひたすら重ねて使うしかない
・化粧水を2時間おきに使えば当然肌の水分量は上がるが、それでも8時間後にはクリームを使った場合より水分量は低くなる
・クリームとウォータースプレーを使うと、肌の水分量は逆に下がる
みたいな感じです。
つまり、クリームと化粧水を使う順番はさほど大事ではないという事がわかりました。
そして化粧水は必要ないんじゃないかという結果がでています。
なにせ化粧水だけを使った場合は20%ちょいしか水分量が上がらないのに対し、
クリームを使ったら軒並み70〜80%ぐらい水分量が上がりまして、8時間後も40〜50%のラインをキープし続けてるもんですから。
注意点としては、特定の化粧水を使った実験なんで、
他の化粧水だったらもっと保湿効果があるかもしれません。
今回の結果から、ウォータースプレーや化粧水のように
保湿をキープしないものは不要なように感じます。
つまりスチームを当てて肌に明るさとハリを出すような家電製品は
使った直後は肌に潤いがでますが、必要なのはその後の保湿クリームというわけです。
美肌にはワセリンでもOK
保湿のメカニズムは実に簡単で、
肌を水分で湿らせる
その上から油でフタをする
逃げられなくなった水分が細胞に入る
といった流れになので、水分を油でカバーするのはワセリンだろうが高級化粧品だろうが効果は同じです。
っていうわけでワセリンに関する論文
https://jamanetwork.com/journals/jamapediatrics/article-abstract/2588412
があるので紹介します。
これはノースウエスタン大学の実験で、生まれたばかりの赤ちゃんを対象にしたもの。
一般的に新生児の20%が謎の湿疹に悩むと言われてるんですが、こいつを治すにはどんな保湿剤を使うのがベストなのかを調べたんですな。
ワセリン(800円ぐらい)
Aquaphor(2500円ぐらい)
セタフィル(1500円ぐらい)
アビーノ(1500円ぐらい)
わりと薬局では定番の保湿剤が選ばれております。
結局はワセリンがコスパ最強
こいつを全身に塗り続ける作業を6カ月ほど行ったところ、
結局はワセリンが安いし効果もベスト!だったようです。
もちろん、今回の研究は新生児が対象ですけど、これまでの研究でも6〜8カ月ぐらい全身に保湿剤を塗ることで皮膚炎が格段に改善するってデータもありますからねぇ。肌の赤身や湿疹、かゆみなんかにお悩みの方は、とりあえず風呂上がりの全身ワセリンは試してみて損はないかも。
もちろん企業の実験によって効果が確認されている
アットベリーがおすすめですが、ワセリンもありなのかなと思っております。
科学的根拠を基にした、情報ばかりでとてもおすすめなブログです。
引用:https://yuchrszk.blogspot.com/